2011-07-28

7月28日安藤誠悟氏セミナー「急増する未払残業代請求問題とは」レビュー

7月28日、「リーガルシリーズ」第１弾セミナーとして、弁護士の安藤誠悟氏を講師に迎え、「急増する未払残業代請求問題とは」を開催しました。会場は、今回よりセミナーを共催させていただく札幌信用金庫豊平支店様。普段、なかなか利用することのない金融機関の通用口から受講者の方々をセミナー室にお迎えし、定刻どおり１８時にセミナーを開始いたしました。リーガルシリーズセミナーは、少人数受講者でのゼミ形式を意図していることもあり、来場された方々からは、講師である安藤弁護士との距離の近さに親近感を感じられたようでした。



安藤弁護士がこの日のために特別に書き下ろしてくださったレジュメでは、「いわゆるサービス残業をしているA工業㈱管理職井上一郎さん」の設例をベースに、一般には解説がかなり困難な労務問題が理解しやすく記述されており、門外不出の解説書を入手された受講者の方々は、これだけでもご参加いただいた理由があったと感じます。「勤怠管理」「管理監督者、いわゆる名ばかり管理職問題」「消滅時効」等いくつかのフィルターを通し、裁判所は会社に対して相当額の残業代支払を命じるだろうとの結論が理路整然と導かれ、一般に常識とされる認識との乖離に、会場は一瞬驚きの空気に包まれたことが印象的でした。



安藤弁護士は、穏やかな口調とテンポで論を進めながらも、ときに中小企業が抱える労務問題の法的リスクについては厳しく指摘され、質疑応答の中では、少人数セミナー形式ならではの個別事例に対するアドバイスにまで至る場面も。
また、ともするとドライな法律論に終始しがちな法律関係のセミナーですが、安藤弁護士は「労使関係とはいえ、結局は人間同士の関係。仲間としていかに過ごしたかが結論を左右する」との持論も展開され、これには僅かな反論の余地もないと感じられました。

今後もさらに増加すると言われる労務問題。安藤弁護士を交えた事後のミーティングにおいても、引き続きこの点の啓蒙にご協力をいただける旨の有り難い言葉をいただきました。井上税務会計事務所では、現在だけでなく将来を見据えたテーマを厳選し、今後も良質のセミナーを開催してまいります。どうぞご期待ください。